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第00回 C++ 開発環境構築 — OS 別・最短手順

C コンパイラがあっても C++17 が通らないことがよくあります。このページでは macOS / Ubuntu / Windows(WSL) でモダン C++ (C++17 以降) を書き始めるまでを、コピペで進められる手順としてまとめます。

1. ゴール — 3 つ揃えば準備完了

  • C++ コンパイラ(clang++ 10+ か g++ 9+)
  • エディタ(VS Code 推奨)
  • ③ 好きなら CMake(第 72 回で扱う)

まずは OS タブを選んで手順を進めてください。

macOS
Ubuntu / WSL
Windows ネイティブ

macOS — Xcode Command Line Tools が最短

1
Command Line Tools をインストール。
$ xcode-select --install
2
バージョン確認。clang++ が 10 以上なら OK。
$ clang++ --version Apple clang version 15.0.0 (clang-1500.x.x.x)
3
Homebrew で最新 LLVM が欲しい場合は brew install llvm$(brew --prefix llvm)/bin/clang++ にバイナリが置かれます。

Ubuntu / WSL — apt で一撃

1
build-essential と clang をまとめて。
$ sudo apt update $ sudo apt install -y build-essential clang
2
g++ の古い場合は PPA で更新。
$ sudo apt install -y g++-11
3
WSL なら Windows 側 VS Code + 拡張「WSL」で繋ぐのが定番。

Windows ネイティブ — 3 択

  • MSYS2(推奨): pacman -S mingw-w64-ucrt-x86_64-gcc で g++ が入る
  • Visual Studio: Community 版 + 「C++ によるデスクトップ開発」で MSVC
  • WSL2: 上の Ubuntu 手順をそのまま。多くの開発者はこれを選ぶ

2. 初めてのビルドと実行

エディタで hello.cpp を作成:

// hello.cpp #include <iostream> int main() { std::cout << "Hello, modern C++!\n"; }

ビルド & 実行:

$ clang++ -std=c++17 -Wall -O2 hello.cpp -o hello $ ./hello Hello, modern C++!

2-1. 覚えておきたい主要オプション

オプション意味使いどころ
-std=c++17言語規格(17/20/23 も指定可)必須
-Wall -Wextra警告を強化開発中は常時
-O0 / -O2 / -O3最適化レベルデバッグは 0、本番は 2 以上
-gデバッグ情報を埋め込むgdb と併用(第 73 回)
-fsanitize=addressメモリエラー検出開発中の定番(第 74 回)

3. VS Code 設定(推奨)

  • 拡張「C/C++」(Microsoft 公式)を入れる
  • 拡張「clangd」もあると補完が速い(併用時は C/C++ の IntelliSense を無効に)
  • Tasks で clang++ $file -std=c++17 -g を定義しておくとボタン一発でビルドできる
迷ったら: clang++ -std=c++17 -Wall -Wextra -O2 -g -fsanitize=address,undefined を習慣化。コンパイル時チェックと実行時チェックが効いて、モダン C++ を楽しく書き始められます。

4. 次に進む

環境が整ったら第 01 回から順に進めましょう。C と C++ の違いをざっと眺めたいならC と C++ の違い総覧がおすすめです。